白以外の色が増えたのはなぜ？

人気色と色が与える効果

看護師のユニフォームに白以外の色が増えたのはなぜかを紹介していきます。まずは、そもそも白が好まれるようになったのはなぜかをみていきましょう。そのうえで、白以外が増えていった理由を知ることが大切です。

白が好まれていた理由

汚れや感染から看護師を守るのがユニフォームに求められる役割です。他の職種に例えると、研究所の職員が白衣を着るのは化学薬品などが身体に付かないようにするためです。しかし、これだけなら別に白にこだわる必要はありません。それなのに白が好まれるようになったのはなぜでしょうか。それにはいくつか理由があります。
まずは、汚れを目立たせるためです。汚れが付きやすい仕事だからこそあえてそれが目立つ白にすることで、洗うタイミングがわかりやすくなります。また、見てすぐに職業がわかるというメリットもあります。私服で上から下まで真っ白の人は少ないです。そのため白のユニフォームは目立ちます。混雑している状況でも判別しやすく、業務上のメリットがあります。さらに、専門職としての意識を高めるという目的もあります。白には特別なイメージがあるので、医療職としての権威を示すシンボルとして白のユニフォームが採用されてきた面もあります。あとは、見る側の要望もあります。白には清潔感だけではなく責任感や慈悲といったイメージがあり、信頼すべき職業の人には白を着てほしいという要望があったのです。

白以外が増えた理由

では、上記の理由から白のユニフォームが採用され続けていたのが、なぜ最近になって他の色も増えてきたのでしょうか。それには、患者の心理に配慮した結果、他の色が与える印象を積極的に活用していこうという機運が高まってきたためです。
まず、白の「補色残像」が問題になりました。補色残像というのは、同じ色を長い間見続けることで、目を離した後にその色の補色が残像として見えてしまうことです。例えば手術中は血液の赤色を長く見ることになります。赤色を長く見ることで、目を離したときに赤の補色である緑が視界に残像として残ってしまい、業務に悪影響を及ぼすという報告が多くなりました。そこで補色を周囲に配置して残像の緩和を図るために、ユニフォームとして緑や青が採用されるようになったのです。
また、白といえば病院というイメージが強くなりすぎてしまったため、白衣を見ただけで血圧が上がってしまう「白衣性高血圧」が問題になったことも他の色が増えた一因です。患者に余計な緊張を与えないように、白以外のユニフォームを採用するところが増えたのです。
これらが白以外の色が増えた理由ですが、だからといって白が医療現場に向いていないと決まったわけではありません。手術着は緑に変更したがそれ以外は白のままという病院も少なくないです。